あたぼうよ!
てやんでい!
こちとら江戸っ子でぃ!
アタリキシャリキよぉ。
お美代、止めてくれるな!
ちゃらっぽこ抜かしてるんじゃねえ!
てやんでぇ、べらぼうめ。
火事と喧嘩は江戸の花でぇ!
たーま屋ぁーーーっ! かーぎ屋ぁーーーっ!!
がんばります!
僕、下端です。下端駆です
下っ端じゃありません! し・も・は・しです!
僕ねぇ、江戸っ子の言葉を勉強してるんですよ
やっぱり江戸っ子ってカッコイイなぁー!
源さん、人気者ぉ〜。
よっ、お袋さんっ!
九分九厘!
九分九厘、あんたのおかげだぁねぇ〜
十中八九……分かっちゃいたけどねぇ
サンキュ〜♪
言うことがデカイねぇ〜、源さん!
独占取材ってやつよぉ〜
九分九厘、現場が好きだからさぁ〜
みんな、スタンバイOKかいっ!
おまえさん!
お、おまえさん、純血種って……?
本当そうだねぇ、おまえさん
それもこれもカケルちゃんのお陰だねぇ
みぃんな、いい子ばっかりだよ
…
………
あなた方夫婦は江戸っ子純血種です
日本政府はあなた方を“保護”します
政府の調査機関をナメてもらっては困る
にいさん、ありがとよ
源さん、つれねぇじゃねぇか!
日本中大騒ぎだぜ
なんだってー!?
俺ぁ、ちんぷんかんぷんだ
かぁー、見上げたもんだよ、屋根屋のふんどし! とくらぁー
時は平成。所は東京の下町。大工の井上源蔵(55歳)と、その女房・お美代(57歳)は夫婦二人で毎日を平凡に暮らしていた。ところがある日、環境文化省の火籐と名乗る男が現れ、源蔵とお美代は「絶滅寸前である地球上最後の江戸っ子」として「天然記念物」指定され、「江戸っ子純血種保護センター」で、研究員たちに24時間監視される身に…。さまざまな登場人物の思惑が交差するなか、江戸っ子たちが集い、企てられる大救出作戦。
ミステリーでも時代小説でも、ましてや恋愛小説でもない。「ありえねー」「むちゃくちゃ」この上なしの「エンターテインメント与太話」が、現代社会の閉塞感をぶち破る! 電子書籍完全オリジナルで堂々登場。『天然オヤジ記念物 江戸前不始末』が読めるのは電子書籍だけ! 笑いあり涙ありの壮快&痛快平成江戸っ子絵巻、開幕です。【文庫本・310ページ分相当】
※Kindle版とはレイアウトなど仕様が異なります。